ある日の午後、5歳の息子が「喉が痛い」と言い出しました。最初は風邪かと思って様子を見ていましたが、夜になると39度近い熱が出て、翌朝には顔から胸にかけて細かい赤いポツポツが広がっていました。慌てて小児科を受診したところ、診断は溶連菌感染症でしたが、医師からは「全身にこれだけはっきりした発疹が出ているので、これは猩紅熱の状態ですね」と説明されました。猩紅熱という言葉に、私は昔の小説や歴史上の恐ろしい病気というイメージを抱いていたため、一瞬頭が真っ白になりました。しかし、先生は優しく「今は溶連菌の一種として、しっかり薬を飲めば大丈夫ですよ」と教えてくれました。喉を診てもらうと、確かに真っ赤に腫れ上がっており、数日後には舌がまさにイチゴのように赤くブツブツとした状態になりました。これが教科書に載っているイチゴ舌かと、驚きとともに息子の苦しそうな様子に胸が痛みました。処方されたのは10日分のアモキシシリンという抗生物質でした。飲み始めて2日もすると熱は下がり、喉の痛みも引いて息子は元気に走り回るようになりました。しかし、ここからが本当の戦いでした。症状が良くなっても、体内の菌を全滅させるためには10日間きっちり飲み続けなければなりません。元気になった子供に薬を飲ませ続けるのは根気がいりますが、リウマチ熱などの合併症の話を思い出し、毎日必死に飲ませました。発疹が引いた後の1週間後くらいには、指先の皮が薄く剥けてきましたが、これも猩紅熱の後によく見られる現象だそうで、痛みはありませんでした。看病を通じて感じたのは、溶連菌と猩紅熱が地続きの病気であるという認識の重要性です。もし私が「ただの溶連菌なら喉だけだろう」と思い込んでいたら、全身の発疹を見てパニックになっていたかもしれません。また、家族への二次感染も心配でしたが、タオルの共有を避け、手洗いを徹底したことで、幸いにも他の家族に移ることはありませんでした。学校保健安全法では、抗生物質を服用開始してから24時間が経過すれば登校可能とされていますが、体力が戻るまでは無理をさせないように気をつけました。今回の経験で、猩紅熱は決して過去の病気ではなく、現代でも溶連菌感染症の延長線上に存在するものだと痛感しました。早めの受診と、最後まで薬を飲み切るという基本の大切さを、身をもって学んだ10日間でした。
子供が溶連菌から猩紅熱になった私の体験記と看病の記録