溶連菌感染症は、正式にはA群β溶血性連鎖球菌という細菌によって引き起こされる感染症であり、その最大の特徴は、唾を飲み込むことさえ躊躇われるほどの非常に強い喉の痛みにあります。一般的に風邪と言えば、咳やくしゃみ、鼻水といった症状が伴うことが多いですが、溶連菌の場合はこれらの呼吸器症状がほとんど見られない一方で、喉の奥が真っ赤に腫れ上がり、扁桃腺に白い膿が付着することが頻繁にあります。この細菌は喉の粘膜に強く付着して増殖し、そこで毒素を排出することで激しい炎症を引き起こすため、単なる乾燥や疲労による喉の違和感とは明らかに一線を画す苦痛が伴います。特に子供に多い病気とされていますが、大人が感染するとさらに重症化しやすく、39度を超える高熱が出ることも珍しくありません。喉の痛みが始まった数日後には、舌の表面がイチゴのように赤くブツブツと腫れるイチゴ舌という特有の症状が現れることもあり、これが診断の大きな決め手となります。また、全身に細かい赤い発疹が出ることもあり、痒みを伴う場合も多いため、単なる皮膚トラブルと勘違いせずに喉の状態と併せて観察することが重要です。診断には医療機関での迅速検査が有効で、喉の粘膜を綿棒で拭うだけで15分程度で結果が判明します。陽性と診断された場合には、速やかに抗生物質による治療を開始することが不可欠です。溶連菌は細菌であるため、ウイルス性の風邪とは異なり、適切な抗菌薬を服用すれば24時間から48時間以内に劇的に喉の痛みや発熱が治まることが多いのも特徴です。しかし、ここで最も注意しなければならないのは、症状が消えたからといって自分の判断で薬の服用を中止してはいけないという点です。溶連菌を完全に除菌せずに放置すると、数週間後に急性糸球体腎炎やリウマチ熱といった深刻な合併症を引き起こすリスクがあるため、医師に処方された期間、通常は5日間から10日間ほどしっかりと飲み切ることが完治への唯一の道となります。家庭内ではタオルの共有を避け、食事の際の食器の使い回しを控えるなどの基本的な感染対策を徹底し、喉の痛みが強い時期は、刺激物や熱すぎる食べ物を避け、ゼリーや冷ましたスープなど喉越しの良いもので栄養を摂取することが推奨されます。
溶連菌感染症による激しい喉の痛みと対処法