あれは大学時代の夏のことでした。サークルの仲間である友人のA子が、片方のまぶたを少し腫らした姿で部室に現れました。「めばちこができちゃって」と、彼女は少し恥ずかしそうに笑いました。その時の私は、めばちこに関する正しい知識を全く持っていませんでした。祖母から「めばちこはうつるからね」と昔言われた記憶がおぼろげにあり、彼女の赤い目元を見た瞬間、無意識のうちに「うつされたらどうしよう」という不安が心をよぎったのです。今思えば本当に失礼な話ですが、その日、私はA子といつもより距離を置いて話したり、彼女が使ったコップを避けたりと、あからさまに不自然な態度をとってしまいました。A子も、私のそのよそよそしい空気に気づかないはずはありません。彼女は次第に口数が少なくなり、その日は早々に帰ってしまいました。後日、別の友人から「めこ、この前なんでA子に冷たかったの?彼女、すごく気にしてたよ」と言われ、私はハッとしました。そして、めばちこは基本的に人にはうつらない病気なのだという事実も、その時に初めて知ったのです。自分の無知と偏見が、大切な友人をどれだけ傷つけてしまったことか。私はすぐにA子に会いに行き、正直に自分の勘違いを話して、心から謝りました。幸いにも彼女は笑って許してくれましたが、私にとっては、人の見た目や思い込みで判断してしまったことへの後悔が深く残る、苦い経験となりました。病気に対する正しい知識を持つことは、自分自身を守るためだけでなく、他者を不必要に傷つけないためにも、非常に大切なことなのだと、この出来事を通して痛感しました。