あれは忘れもしない、秋の運動会の練習が始まったばかりの頃でした。小学二年生の息子が、夕方から乾いた咳をし始め、夜には38度を超える熱を出しました。最初はただの風邪だと思い、かかりつけの小児科で風邪薬と解熱剤をもらいました。しかし、そこからが悪夢の始まりでした。解熱剤を使えば一時的に37度台まで下がるものの、薬の効果が切れるとすぐに39度台まで跳ね上がるのです。昼間は少し元気に見えても、夜になると高熱と激しい咳でうなされ、眠れない日々が続きました。三日経っても症状は変わらず、咳はどんどんひどくなるばかり。これはおかしいと感じ、再度同じ小児科を受診しました。医師は胸の音を聞き、レントゲンを撮った結果、「マイコプラズマ肺炎の疑いが強いですね」と告げました。すぐにマクロライド系の抗生物質が処方され、これで良くなるはずだと、少しだけ安堵したのを覚えています。しかし、私たちの期待とは裏腹に、その薬を飲み始めても息子の熱は一向に下がりませんでした。むしろ咳はさらに悪化し、夜中には咳き込みすぎて嘔吐してしまうほど。薬を飲んで五日目の朝、ぐったりとして顔色も悪い息子を見て、私はいてもたってもいられず、紹介状を書いてもらい総合病院へ駆け込みました。総合病院の医師は、これまでの経緯を聞くと、「おそらく耐性菌でしょう」とすぐに判断し、薬をテトラサイクリン系のものに変更しました。すると、その日の夜から、あれだけ頑固だった熱が少しずつ下がり始めたのです。翌日には37度台で安定し、咳も明らかに楽になっていきました。結局、最初の発熱から解熱まで10日近くかかりました。先の見えない高熱は、本当に親の精神を削ります。薬が効かない時は、迷わず別の治療法を求めて動く勇気が必要だと痛感した出来事でした。