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2026年1月
  • マイコプラズマ肺炎の熱が長引くことで起こる合併症

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    マイコプラズマ肺炎は、多くの場合、適切な治療によって回復に向かう病気ですが、時にその炎症が肺だけにとどまらず、全身に様々な合併症を引き起こすことがあるため注意が必要です。特に、熱が下がらない状態が長く続く場合は、体が病原体と激しく戦っている証拠であり、合併症のリスクも高まると考えられています。最も頻度が高い合併症は、気管支炎や中耳炎、副鼻腔炎といった呼吸器に関連するものです。激しい咳が続くことで気管支の炎症が悪化したり、鼻や喉の炎症が耳や副鼻腔にまで及んだりします。これらは肺炎自体の症状と重なるため見過ごされがちですが、治療が長引く原因となります。また、皮膚に多彩な発疹が現れることも、マイコプラズマ肺炎の合併症としてよく知られています。赤い斑点や水ぶくれなど、その形は様々です。多くは自然に消えますが、中にはスティーブンスジョンソン症候群という重篤な皮膚障害に進展するケースも稀にあります。さらに、頻度は低いものの、より深刻な合併症として警戒しなければならないのが、中枢神経系(脳や脊髄)への影響です。無菌性髄膜炎や脳炎、脳梗塞などを引き起こすことが報告されています。激しい頭痛や繰り返す嘔吐、けいれん、意識障害といった症状が現れた場合は、極めて危険なサインです。心臓に炎症が及ぶ心筋炎や心膜炎も、命に関わる重篤な合併症です。胸の痛みや息切れ、動悸などの症状には注意が必要です。その他にも、肝機能障害や関節炎、溶血性貧血など、全身のあらゆる臓器に合併症が起こる可能性があります。もちろん、これらの重い合併症は頻繁に起こるものではありません。しかし、熱が下がらず全身状態が悪い時には、こうしたリスクも存在するということを念頭に置き、いつもと違う症状に気づいたら、すぐに医師に伝えることが非常に大切です。

  • めばちこがうつると言われるのはなぜ?

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    「めばちこは人からうつる」、昔からそんな風に言われるのを聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。しかし、現代医学では、一般的なめばちこ(麦粒腫)は感染症ではないため、基本的には人から人へうつることはないとされています。では、なぜこのような迷信が広く信じられてきたのでしょうか。その背景にはいくつかの理由が考えられます。一つは、めばちこと非常に感染力の強い「はやり目(流行性角結膜炎)」との混同です。はやり目はウイルスが原因で、充血や大量の目やにを伴い、タオルや接触を介してあっという間に家族内や学校などで広がります。昔は、これらの目の病気が明確に区別されておらず、「目が赤く腫れる病気はうつる」と一括りに考えられていた可能性があります。そのイメージが、めばちこにも当てはめられてしまったのでしょう。また、めばちこの原因が細菌感染であることも、誤解を生む一因かもしれません。「感染」という言葉の響きから、人から人へ「伝染」するイメージを抱きやすいのです。しかし、めばちこの原因となる黄色ブドウ球菌は、もともと多くの人の皮膚に存在する常在菌です。誰かから菌をもらって発症するというよりは、自分自身の免疫力が落ちた時に、自分の体にいた菌が原因で炎症を起こす、というケースがほとんどです。さらに、家族や兄弟など、生活環境が近い人たちの間で、めばちこが相次いで発生することがあります。これは、うつったのではなく、同じような食生活や生活リズム、体質などが原因で、それぞれが同じタイミングで免疫力が低下し、発症しやすくなっていると考えるのが自然です。このように、めばちこがうつるという話は、他の病気との混同や言葉のイメージから生まれた迷信と言えます。正しい知識を持ち、過度に怖がらないことが大切です。

  • 再受診のタイミング!この症状は病院へ行くべきか

    医療

    マイコプラズマ肺炎の治療中、熱がなかなか下がらないと、いつまで様子を見て良いのか、どのタイミングで再び病院へ行くべきか、判断に迷うことがあるでしょう。自己判断で様子を見過ぎて重症化させてしまうのは避けたいものです。ここでは、すぐに医療機関に相談、あるいは再受診すべき危険なサインについて具体的に解説します。まず、呼吸の状態に異常が見られる場合は、最も緊急性が高いサインです。咳が激しくなり、呼吸をするたびに肩が上下したり、胸やお腹がペコペコとへこんだりする「努力呼吸」が見られる時。あるいは、ゼーゼー、ヒューヒューという喘鳴が聞こえる時。顔色や唇の色が青白い、紫がかっている(チアノーゼ)といった症状は、体内に酸素が十分に行き渡っていない証拠であり、一刻を争う状態です。夜間や休日であっても、すぐに救急外来を受診してください。次に、意識の状態や全身の状態の悪化です。ぐったりとして元気がなく、呼びかけへの反応が鈍い、あるいはほとんど眠ってばかりいるような場合も注意が必要です。水分を全く受け付けず、半日以上おしっこが出ていない時は、脱水症状がかなり進んでいる可能性があります。これも点滴などの処置が必要になるため、速やかな受診が求められます。また、処方された抗生物質を二日から三日飲んでも、解熱剤なしで38度以上の熱が全く下がる気配がない場合も、薬剤耐性菌の可能性が高いため、治療方針を見直すために再受診すべきタイミングです。その他にも、激しい頭痛や嘔吐を繰り返す、胸の痛みを訴えるといった症状は、肺炎以外の合併症(髄膜炎や心筋炎など)の可能性も考えられるため、見過ごしてはいけません。不安な症状があれば、些細なことと思わずに、まずはかかりつけ医に電話で相談するだけでも良いでしょう。早めの行動がお子さんを守ることに繋がります。

  • その目の腫れは本当にめばちこ?うつる病気との違い

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    まぶたが腫れると、多くの人が「めばちこができた」と考えがちです。しかし、目の周りのトラブルには様々な種類があり、中には非常に感染力が強く、注意が必要な病気も存在します。特に、めばちこ(麦粒腫)と混同されやすいのが、「はやり目」とも呼ばれる流行性角結膜炎です。この二つは、原因も症状も、そして他人にうつるかどうかという点でも大きく異なります。まず、めばちこは黄色ブドウ球菌などの「細菌」が原因で、まぶたの分泌腺が炎症を起こすものです。症状は、まぶたの一部が赤く腫れて、痛みや痒みを伴うのが特徴です。白目(結膜)の部分が真っ赤に充血することは比較的少なく、目やにもそれほど多くはありません。そして最も重要な点は、めばちこは基本的に他人にうつることはないということです。一方、はやり目は「アデノウイルス」という感染力の強いウイルスが原因です。症状は、まぶたの腫れに加えて、白目が真っ赤に充血し、涙のようにサラサラとした目やにが大量に出ます。耳の前のリンパ節が腫れて痛むこともあります。このウイルスは、感染者の目やにや涙に触れた手を介して広がるため、タオルやドアノブなどを通じて簡単に人から人へとうつります。もしお子さんがはやり目にかかった場合、学校保健安全法で出席停止が義務付けられているほどです。自分の目の不調がどちらなのかを見分ける簡単なポイントは、「白目の充血」と「目やにの量」です。まぶたの局所的な腫れがメインであればめばちこの可能性が高いですが、白目全体が赤く、目やにがひどい場合ははやり目を疑い、すぐに眼科を受診してください。自己判断は禁物です。

  • 家族にめばちこ!うつるのではと心配した日々

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    先日、夫の右目のまぶたがぷっくりと赤く腫れているのに気づきました。いわゆる「めばちこ」です。本人も朝からゴロゴロすると言っていました。最初に頭をよぎったのは、「これって、子どもにうつるんじゃないだろうか?」という心配でした。まだ小さい娘がいる我が家では、感染症には特に敏感にならざるを得ません。タオルや枕を共有したら危ないかもしれない。夫が触ったドアノブを娘が触って、その手で目をこすったらどうしよう。そんな不安が次々と湧いてきました。すぐにスマートフォンで「めばちこ、うつる」と検索し、情報を集めました。調べてみると、一般的なめばちこは細菌が原因の炎症で、ウイルス性の「はやり目」とは違い、基本的には人にはうつらないということが分かり、まずは一安心しました。しかし、原因となる細菌そのものが、接触によって移動する可能性はゼロではない、とも書かれていました。そこで、私たちは念のために家庭内での対策を徹底することにしました。まず、顔や手を拭くタオルは、夫専用のものを用意し、他の家族とは完全に分けました。お風呂の順番も夫が最後に入るようにし、枕カバーも毎日交換。そして何より、家族全員で、こまめな手洗いをいつも以上に心がけるようにしました。夫にも、できるだけ目を触らないように、もし触ってしまったらすぐに手を洗うように口酸っぱく伝えました。数日後、夫のめばちこは無事に治り、幸いなことに私や娘にうつることはありませんでした。この経験を通じて、めばちこ自体はうつらないけれど、原因菌を広げないための衛生管理は大切だと実感しました。過度に恐れる必要はありませんが、正しい知識を持って、家族みんなで清潔を心がける良い機会になったと思います。

  • 友人のめばちこを避けてしまった私の苦い経験

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    あれは大学時代の夏のことでした。サークルの仲間である友人のA子が、片方のまぶたを少し腫らした姿で部室に現れました。「めばちこができちゃって」と、彼女は少し恥ずかしそうに笑いました。その時の私は、めばちこに関する正しい知識を全く持っていませんでした。祖母から「めばちこはうつるからね」と昔言われた記憶がおぼろげにあり、彼女の赤い目元を見た瞬間、無意識のうちに「うつされたらどうしよう」という不安が心をよぎったのです。今思えば本当に失礼な話ですが、その日、私はA子といつもより距離を置いて話したり、彼女が使ったコップを避けたりと、あからさまに不自然な態度をとってしまいました。A子も、私のそのよそよそしい空気に気づかないはずはありません。彼女は次第に口数が少なくなり、その日は早々に帰ってしまいました。後日、別の友人から「めこ、この前なんでA子に冷たかったの?彼女、すごく気にしてたよ」と言われ、私はハッとしました。そして、めばちこは基本的に人にはうつらない病気なのだという事実も、その時に初めて知ったのです。自分の無知と偏見が、大切な友人をどれだけ傷つけてしまったことか。私はすぐにA子に会いに行き、正直に自分の勘違いを話して、心から謝りました。幸いにも彼女は笑って許してくれましたが、私にとっては、人の見た目や思い込みで判断してしまったことへの後悔が深く残る、苦い経験となりました。病気に対する正しい知識を持つことは、自分自身を守るためだけでなく、他者を不必要に傷つけないためにも、非常に大切なことなのだと、この出来事を通して痛感しました。

  • 薬が効かない?マイコプラズマ肺炎の治療法を知る

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    マイコプラズマ肺炎と診断され、抗生物質を飲んでいるのに熱が下がらない時、最も考えられる原因は「薬剤耐性菌」です。この事実を理解し、適切な治療法の選択肢を知っておくことは、不要な不安を解消し、早期回復への道筋をつけるために非常に重要です。現在、マイコプラズマ肺炎の治療に使われる抗生物質には、主に三つの系統があります。一つ目は、これまで第一選択薬として最も多く使われてきた「マクロライド系」です。ジスロマックやクラリス、クラリシッドといった薬がこれにあたります。副作用が少なく、子どもにも使いやすいのが特徴ですが、前述の通り、この系統の薬が効かない耐性菌が近年、特に子どもたちの間で蔓延しています。もし、マクロライド系の薬を二日から三日服用しても全く熱が下がる気配がない場合は、耐性菌に感染している可能性が極めて高いと言えます。その場合、医師は次の選択肢を検討します。それが「テトラサイクリン系」の抗生物質です。ミノマイシンなどがこの系統の薬です。耐性菌に対しても高い効果が期待できますが、八歳未満の子どもが長期間服用すると、歯が黄色く着色する副作用(歯牙着色)の可能性があるため、使用には慎重な判断が求められます。しかし、治療に必要な短期間の使用であれば、そのリスクは限定的であると考えられており、耐性菌による肺炎の重症化を防ぐために、必要に応じて使用されます。そして、もう一つの選択肢が「ニューキノロン系」です。クラビットやジェニナックなどがこれにあたります。この系統も耐性菌に有効ですが、関節への影響などが懸念されるため、原則として小児への使用はさらに慎重に検討されます。このように、マイコプラズマ肺炎の治療薬には複数の選択肢があります。熱が下がらない場合は、薬が効いていない可能性を医師に伝え、適切な薬への変更を相談することが何よりも大切なのです。