#7119やAI症状検索エンジンといった無料相談サービスは、何科に行けばいいか迷った時に非常に便利で心強い存在です。しかし、これらのサービスの恩恵を正しく受けるためには、その「限界」、すなわち「できないこと」を明確に理解しておく必要があります。無料相談サービスが提供するのは、あくまで「医療情報」や「受診勧奨」であり、医療行為そのものではないという大原則を忘れてはなりません。無料相談で、絶対にできないこと。それは、医師法で定められた医療行為である「診断」「治療」「処方」です。電話の向こうの看護師や、スマートフォンの画面の向こうのAIが、「あなたの病気は〇〇です」と病名を断定すること(診断)は決してありません。それは、医師が患者を直接診察しなければ行えない行為だからです。同様に、「この薬を飲んでください」と具体的な医薬品を指示すること(処方)や、治療方針を決定すること(治療)もできません。では、なぜ医師による直接の診察が不可欠なのでしょうか。その理由は、医療における診断が、患者さんの話を聞く「問診」だけでなく、「視診(目で見る)」「聴診(聴診器で聞く)」「触診(手で触れる)」といった身体診察と、血液検査や画像検査などの「客観的な検査データ」を総合して、初めて成り立つものだからです。例えば、腹痛の患者さんを診察する際、医師はお腹のどの部分を押すと痛みが強くなるか(圧痛点)を触診で確認します。これは虫垂炎や胆嚢炎の診断に極めて重要ですが、電話やチャットでは絶対に不可能です。また、心臓の雑音を聴診したり、レントゲンで肺炎の影を見つけたりすることも、直接の診察や検査なしにはできません。無料相談サービスが提供してくれる「関連性の高い病気」や「推奨される診療科」という情報は、あくまで入力された症状や話の内容から、統計的・経験的に導き出された「可能性」に過ぎないのです。その可能性を一つ一つ吟味し、本当に正しい答えを見つけ出すプロセスこそが「診断」であり、それは医師にしかできない専門的な作業です。無料相談は、病院への橋渡しをしてくれる素晴らしいツールです。しかし、そのアドバイスを元に、最終的には必ず医療機関を受診し、医師の診察を受けること。このステップを省略しては、本当の安心は得られないということを、心に留めておく必要があります。
無料相談で「できないこと」、なぜ最終的に医師の診察が必要なのか