ある日突然、38度を超える高熱と、止まらない咳に襲われる。大人がこのような症状に見舞われた時、それは単なる風邪ではない、体からの重要なSOSサインである可能性が高いです。特に、日常生活に支障をきたすほどの高熱と、体力を消耗させる激しい咳が同時に現れた場合、その背後には様々な呼吸器感染症が隠れていることが考えられます。多くの人がまず「内科」を受診しようと考えるでしょう。それは正しい選択です。内科は、このような全身症状を伴う疾患の初期診断と治療を行う中心的な診療科です。しかし、「高熱と咳」という症状から考えられる病気は、季節性インフルエンザや新型コロナウイルス感染症(COVID-19)といった代表的なウイルス感染症から、気管支炎、さらには細菌性肺炎やマイコプラズマ肺炎といった、より専門的な治療が必要となる病気まで、非常に多岐にわたります。そのため、症状の詳しい経過や、咳の性質(乾いた咳か、痰が絡むか)、痰の色、胸の痛みや息苦しさの有無といった、他の随伴症状に注意を払うことが、原因を特定する上で非常に重要になります。例えば、咳と共に黄色や緑色の膿のような痰が出る、胸が痛むといった場合は、肺炎を強く疑い、レントゲン撮影などの検査が必要となるため、呼吸器疾患を専門とする「呼吸器内科」がより適していると言えます。この記事シリーズでは、大人が経験する「高熱と咳」の主な原因となる病気を一つずつ取り上げ、それぞれの特徴や見分け方、そして適切な対処法について詳しく解説していきます。つらい症状に悩んだ時に、冷静に行動するための知識を身につけましょう。