首の痛みが、筋肉や骨の問題だけでなく、発熱やリンパ節の腫れといった、感染症や炎症を示唆する症状を伴う場合は、整形外科以外の診療科、特に「内科」や「耳鼻咽喉科」を受診する必要があります。首の前面や側面には、外部から侵入してきたウイルスや細菌と戦うための免疫器官である「リンパ節」が多数存在します。風邪やインフルエンザなどのウイルス感染症や、扁桃炎、咽頭炎といった細菌感染症にかかると、これらのリンパ節が反応して腫れあがり、痛みを生じることがあります。これを「リンパ節炎」と呼びます。この場合、首の痛みだけでなく、発熱や喉の痛み、咳、鼻水といった、原因となっている感染症の症状を伴うのが特徴です。特に、耳の下から顎にかけてが腫れて痛む場合は、おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)などの唾液腺の炎症も考えられます。これらの感染症が疑われる場合、まず受診すべきは、子どもであれば「小児科」、大人であれば「内科」です。血液検査で炎症の程度を確認したり、迅速検査キットで原因ウイルスを特定したりして、適切な治療(抗生物質や解熱鎮痛薬の投与など)を行います。また、喉の痛みが非常に強い場合や、飲み込みにくい、声がかすれるといった症状がある場合は、喉や扁桃の専門家である「耳鼻咽喉科」での診察がより適しています。耳鼻咽喉科では、ファイバースコープなどを使って喉の奥まで詳しく観察し、扁桃周囲膿瘍など、より重篤な状態になっていないかを確認することができます。稀ではありますが、亜急性壊死性リンパ節炎(菊池病)のように、ウイルス感染が引き金となって起こる原因不明のリンパ節炎や、悪性リンパ腫などの血液の病気、あるいは甲状腺の病気(亜急性甲状腺炎など)が、首のリンパ節の腫れと痛み、発熱の原因となることもあります。発熱を伴う首の痛みが数日経っても改善しない場合は、自己判断せず、必ず医療機関を受診し、原因を特定してもらうことが重要です。