首の痛みと共に、頭痛やめまい、吐き気といった症状が現れることは、決して珍しいことではありません。この場合、原因は一つではなく、複数の病態が絡み合っている可能性があり、適切な診療科を選ぶことが重要になります。まず、最も一般的なのが、首の筋肉の過度な緊張が原因で起こる「緊張型頭痛」です。長時間のデスクワークやストレスなどによって、首から肩、後頭部にかけての筋肉がガチガチに硬くなることで、血行が悪化し、頭全体を締め付けられるような、重苦しい頭痛を引き起こします。この場合は、首の筋肉の緊張を和らげることが治療の基本となるため、「整形外科」でのリハビリテーションや、「内科」「脳神経内科」での筋弛緩薬や鎮痛薬の処方が有効です。次に、首の骨(頸椎)の異常が、めまいや頭痛を引き起こすこともあります。これは「頸性めまい」と呼ばれ、頸椎の変形や、首の筋肉の異常な緊張が、平衡感覚に関わる神経や、脳への血流に影響を与えることで生じると考えられています。首を特定の方向に動かすと、めまいやふらつきが誘発されるのが特徴です。この場合も、原因となっている頸椎の問題を評価するために、まずは「整形外科」の受診が第一選択となります。しかし、ここで最も注意しなければならないのが、危険な脳の病気が隠れている可能性です。例えば、「くも膜下出血」や「脳動脈解離」といった病気では、突然の激しい頭痛と共に、首の後ろに強い痛みや硬直を感じることがあります。また、小脳や脳幹の梗塞・出血でも、めまいやふらつき、頭痛、そして首の痛みが同時に現れることがあります。これらの脳血管障害は、命に関わる緊急疾患であり、ろれつが回らない、手足のしびれといった他の神経症状を伴うことが多いのが特徴です。もし、「これまでに経験したことのないような突然の激しい頭痛」や、明らかな神経症状を伴う場合は、直ちに「脳神経外科」のある救急病院を受診するか、救急車を呼ぶ必要があります。このように、頭痛やめまいを伴う首の痛みは、ありふれた筋緊張性のものから、緊急性の高い脳の病気まで、鑑別が非常に重要となります。まずは危険な病気でないことを確認するためにも、脳神経外科・内科での評価を受けることが最も安全な選択と言えます。
頭痛やめまいを伴う首の痛み、考えられる原因と診療科