冬場に、突然38度以上の高熱で発症し、激しい悪寒、頭痛、そして全身の筋肉痛や関節痛といった強い全身症状と共に、咳や喉の痛み、鼻水が現れた場合、まず疑うべき病気が「季節性インフルエンザ」です。インフルエンザウイルスに感染することで引き起こされ、例年12月から3月にかけて大流行します。普通の風邪(感冒)が、喉の痛みや鼻水といった局所症状から比較的ゆっくりと始まるのに対し、インフルエンザは、突然の高熱と、まるで体中がきしむような強い倦怠感や関節痛で、一気に症状がピークに達するのが大きな特徴です。咳も、初期は乾いたコンコンとした咳ですが、後から痰が絡む湿った咳に変化していくこともあります。感染力が非常に強く、学校や職場、家庭内などで急速に感染が拡大します。インフルエンザが疑われる場合、受診すべき診療科は「内科」または「呼吸器内科」です。医療機関では、問診で症状や周囲の流行状況を確認した後、診断のために「迅速診断キット」を用いた検査が行われることが一般的です。これは、鼻の奥や喉の粘液を綿棒で採取し、15分程度でインフルエンザウイルスの有無を判定する検査です。ただし、この検査は発症してから12時間以上経過しないと、ウイルス量が少なく、陽性反応が出にくい(偽陰性となる)ことがあるため、受診のタイミングも重要です。インフルエンザと診断された場合、治療には「抗インフルエンザ薬」(タミフル、リレンザ、イナビル、ゾフルーザなど)が用いられます。これらの薬は、ウイルスの増殖を抑えることで、発熱期間を1~2日短縮し、症状を和らげる効果があります。ただし、最も効果を発揮するためには、発症後48時間以内に服用を開始する必要があるとされています。その他、咳止めや解熱剤などの対症療法も併用されます。最も重要なのは、安静と十分な水分補給です。高熱によって脱水症状を起こしやすいため、経口補水液やスポーツドリンクなどでこまめに水分を摂るようにしましょう。高齢者や、喘息、心臓病といった持病のある人は、インフルエンザから肺炎などの重篤な合併症を引き起こすリスクが高いため、特に注意が必要です。予防には、毎年のワクチン接種が最も有効な手段となります。
冬の定番「インフルエンザ」突然の高熱と関節痛がサイン